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オミクロン株 WHOのHPによると、

科学技術
12 /06 2021
オミクロン株 WHOのHPによると・・・

(写真だと分かりにくいですが、周囲から浮き出ているくらい輝いていているように見えたので。)
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 別の話題を準備するために前回のブログを見たところ、前回がコロナ実証実験の話で、それに続けて書くとなるとやはりオミクロン株についてまとめておいた方が良いかと思ったので、メモをします。

 とりあえず、2021年11月28日付けのWHOのHP(これは今後改定されると思います。)には次のようなことが記載されています。

すなわち、
 まず、これまでに知られているデルタ株を含む他の株と比較して、感染力が強いのかどうか、については、南アフリカで発見されたばかりであって、まだ明らかではない、疫学的研究はこれから行われることになることになること、
 病気の重症度についても、これまでに知られているデルタ株を含む他の株と比較してどうかについてはまだ明らかではない、患者数は増えているがmildだという意見もあるが、この現象を理解するるには何週間も要するだろう、やはり、感染防止が重要であること、
 再感染のリスクがどんなものかについては今のところ情報がないこと
 ワクチンの有効性については、重症化、死亡率抑えるという本来の機能は残存していると思われること
ということでした。

 ちなみに、このような意見を述べているのは、WHOに助言するために設置されているコロナ用の専門家のグループでですが、この委員会の議長はインドのAnurag Agrawal教授であり、副議長は、南アフリカの Anne von Gottberg博士なので、情報が隠蔽されることはない、と、思います。

 マスコミ情報によると、今度のオミクロン株は非常に感染力が強いという。もしそうなら、毒性はその分低い、と期待しても良いのではないでしょうか。

(以下、私見)
 ウイルスは、特定の宿主(この場合はヒト)に特異的に感染して子孫を増やしていく。あまり、毒性が強いと宿主が死んでしまい伝播されなくなってしまうので、感染力が強いウイルスは毒性が低い、とも言われている。一方、ヒトの免疫系は色々なウイルスに感染することにより進化してきたとも言われている。感染しても安全なウイルスであれば、感染は、免疫系にとって学習の機会でもある。実際に、ワクチン接種というのは、実際の感染とは異なるところも多々あるものの、実際にウイルスが侵入した場合のシミュレーションをすることで、免疫系を学習させていると言える。

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コロナ対策 実証実験の結果

科学技術
11 /20 2021
コロナ対策 実証実験の結果

昨年の11月23日頃の京都・清水寺
昨年11月23日を含む3連休はGotoトラベル実施中でもあり、京都は多くの人出でした。この時間帯はまだ午前10時前の状況ですが、舞台に多くの参拝客がいるのが分かります。
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 世界各国の状況は、コロナの感染者数が明らかに日本よりも多い。しかし、欧州、米国では経済活動を本格的に始動させている。日本でも、経済活動を再開し、次の感染拡大期においても活動をするための方策を検討するために実証実験が行われた(10月)(注1)
 ただし、いずれの試験も、現在の感染状況では感染者のリスクが少な過ぎて効果の有無までは判定できなかったようだ。この点は日本のコロナワクチンや治療薬についての臨床試験が最後まで実施できず、結果として国内企業が国内発の薬を世界に先駆けて開発ができない事情と類似した状況になっている。

 以前のブログで、報告書を見る上でのポイントを挙げていた。どのような状況だろうか。
 (a)実証実験の組織があるか。→ いずれも試験担当者は存在している。
 (b)被験者の安全確保がなされているかどうか。→ 安全確保はなされている。
 (c)何を実証したいかという目的は明確かどうか → 今回の目的は、対策として考えられている施策を人数が増えても実行かのうかどうかを検討するものだったようだ。マスクを付けないで密になって大きな声で話をしたり応援したりする場合のワクチンの有効性とか、マスクの有効性とか、密・大声の影響について実証しようとする実験ではなかったと思われる。
 (d)実験系を構築するための基礎データはあるか→基礎データに基づいて行う実験ではないと考えられる。
 (e)その実験系のデザイン(設計)は適切かどうか→計画が事前に知らされていた。
 (f)実施に際してデータは適切に取得されるかどうか→本来、実施前に有効な取得方法かどうか検討すべきところだと思うけれども、今後の解析に伴い次の方法が考案されるのではないか、と思われる。
 (g)データの取得、解析、報告は適切にされるかどうか→今後分かってくると思います。対策の有効性についての解析は難しそう。

 埼玉県では、10月22〜31日に上尾市の飲食店を中心に実証実験を行った。ワクチン接種証明書、陰性証明書を確認して、店舗内を接種証明等確認済エリア未確認エリアに分けることを行った。また、ラインアプリを利用して感染状況の確認を行った。また、密になっているかどうかについて二酸化炭素濃度を指標として管理を行った。それぞれについて、アンケートなどを行い、客側、店側の負担度などについて調査をした。これらの管理については、客側はあまり負担とは感じていないが店側の方は負担を感じていることが分かった。今後、感染拡大期において、店内を接種証明等確認済エリアと未確認エリアに分け、接種等の有無にかかわらず利用可能とし、差別を助長しない方策として制限緩和を実施する方針であるとした(注2)

 大規模イベントについての実証実験は産業技術総合研究所が担当した。3部署が最新の技術を利用して定量的な報告をした。観客を、ワクチン・検査パッケージ席通常席に案内し両者の比較した。まず、この確認作業には一人あたり34秒要した。検査ブース付近の人流はレーザーレーダーという技術が用いられた。また、観客席のマスク装着率はAIにより行ったが、たとえば、ペットボトルを飲む時にマスクを外したり顎マスク状態も識別出来るらしい。試合中のマスク着用率はワクチン検査パッケージ席で93%、 通常席で95%であった、という数値を出しているが、この比較に科学的な意義を感じられないのは筆者だけだろうか。また、いろいろな場所で二酸化炭素濃度を測定して密の指標として利用されている点が面白い。それによると、観客席はほとんど変化しないが、コンコースは施設によって僅かだが差があり、さらにトイレ(特に男子トイレ)は、施設によっては1000ppmに達しているところもあった(注3)

 さて、二酸化炭素濃度1000ppmという数字が突然登場して、その数値に対する議論が展開される。二酸化炭素濃度の有害性についてはなかなかはっきりしないが、室内の基準については、建築物環境衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)(注4)第4条第1項に「特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準以下「建築物環境衛生管理基準」という。に従つて当該特定建築物の維持管理をしなければならない。」とあり、この基準の中に出てくる。なお、ここで、「特定建築物」というのは、「興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に掲げる建築物をいう。以下同じ。で、多数の者が使用し、又は利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるもの」と定義されている。
 建築物環境衛生管理基準の一覧はこちら(注5)。この基準について2012年に見直しが行われた。このときの管理基準の根拠について、ACGIH、日本産業衛生学会許容濃度部会の勧告値、ソ連の許容濃度、 日本公衆衛生協会の公害問題に関する答申(1956年)、 日本薬学会協定試験法における普通室内空気試験成績判定基準、 文部省学校環境衛生基準を勘案し、二酸化炭素の許容限度5000ppm、推奨値1500ppm、目標値1000ppmという数字を説明する(注6)。また、基本方針として、シックビル症候群の回避、労働生産性(意思決定能力や問題解決能力)への影響が示唆として1000ppmを示したりしているが、二酸化炭素は、少量であれば人体に影響は見られないが、濃度が高くなると、倦怠感、頭痛、 耳鳴り等の症状を訴える者が多くなること、また、室内の二酸化炭素濃度は全般的な室内空気の汚染度や換気の状況を評価する1つの指標としても用いられており、二酸化炭素濃度の基準値は 1000ppm 以下と定められている。・・・一方で、外気導入量を増やすことは既存の建築物の換気設備能力との兼ね合いや省エネルギーの観点で問題があり、今後、二酸化炭素による健康影響を踏まえた上で、建築物衛生法における二酸化炭素濃度の基準値のあり方を引き続き検討するとした(注7)。2020年11月27日になって、感染症防止のための室内環境についてさらに検討され,資料が公表された。その資料によると、まず、集団感染が確認された場所に共通するのは、①換気の悪い密閉空間、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという3つの条件が同時に重なった場合であることを確認した上で、二酸化炭素の基準値1000 ppmを維持するためには、一人あたり毎時30m3以上の空気が必要になるとする(注8)。なお、基準値1000ppmについては同日にリーフレットが発行されており分かりやすい。「機械換気設備等の外気取り入れ量等を調整することで、必要換気量 (一人あたり毎時30m3)を確保すること。」「必要換気量を満たしているかを確認する方法として、二酸化炭素濃度測定器を使用し、室内の二酸化炭素濃度が1000ppmを超えていないかを確認することも有効です 」と、説明している。(注9)
 なお、現在の地球上の二酸化炭素濃度は、420ppmを狙う状況にある(注10)。産業技術総合研究所のやった二酸化炭素濃度測定は、数値の下限が少し低いかも知れない。

(参考文献2)
(注1)あべ野きのこ日記『実証実験、技術実証』2021.10.23  https://abenokinoko.blog.fc2.com/blog-entry-689.html (2021.11.20閲覧)
(注6)東 賢一(近畿大学医学部 環境医学・行動科学教室)『建築物環境衛生管理基準の設定根拠の検証について』平成24年2月17日 平成23年度生活衛生関係技術担当者研修会https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/gijutukensyuukai/dl/h23_3.pdf 
 

課題の提起2 核融合について

科学技術
11 /18 2021
問題の提起2 核融合について

(ぶどう状の実が遠くから見ると花が咲いているように見えます。)
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 COP26が終わり結果の文書が公開されているが数も多い(注1)ので総合的な報告書が出るのを待ってみたい。環境省のHPには、既にまとめられたものも出ている(注2)ので、早急にはそれを見ることが出来る。報道機関もCOP26が終了したということでいろいろ報道しているのでそれを見ても良いし(注3)、報道機関だけではなく他の機関も独自の視点でまとめて声明を出しているようだ。どれを見るかは資料に当たる目的にもよる。
 いずれにしても、地球温暖化を防止しながら電気を使おうとすると、持続性との関連が問題になる。今後自然エネルギーだけを使うということがあるだろうか。社会は、電球(そんなものは最近ほとんどないが)を灯すこと以外にも複雑な用途で電気を利用している。安定電源は必要で、化石燃料を一切使用しないとすれば(「一切使用しない」ことが求められているのかどうかは別として)、原子力発電しかないということになってくるだろう。
 ただ、原子力発電という技術は、核廃棄物の処理の問題や核燃料リサイクルの未完成、さらに事故が起こると事故が起こった原子炉周辺の国土が普通には使用できなくなる、などの課題が解決されていない。そのため、手放しに原発導入ということには疑問がある。

 そうは言っても、原子力を使いたければ、使うと決めれば使えるので、技術の完成度はともかく実用レベルの技術は存在する。
 核融合は、燃料の偏在が少ない、持続性がある、二酸化炭素が出ない、大量の放射性廃棄物が出ない、メルトダウンのような事故が起こらないなど、重金属の放射性物質を燃料とする原子力発電の欠点を克服していることを主張して、長年に渡り技術開発を続けている。
 批判も多いなか、個人的には応援している技術の一つである。

 核融合については、20年以内の実現可能性についてもともと懐疑的に見られている。
 核融合は、超高温、超高圧のプラズマ状態になった原子核同士がぶつかって一つになる反応であり、まず、核融合が起こる状態にするために莫大なエネルギーを必要とする。ITERの場合、50MWのエネルギーを投入してその10倍のエネルギーを発生させることを目標としている。2025年に実現することを標榜するMITも10倍のエネルギーを発生させることを目標としているようだ。
 投入するエネルギー50MWはどのくらいのものだろうか。最近の原子力発電所は原子炉1基から100MWhの出力なので、単純にはその半分? 発生するエネルギーは、瞬間的なのか、瞬間的ならば、どのように利用するか、核融合を起こさせるために超高真空でエネルギーが発生すると思われるが、どのように回収するのか(TAEテクノロジーの特許では、ガンマ線を電気に変換する)、そして、発生したエネルギーを何%回収できるか、というのが課題となり、注目すべき点になるのではないかと思う。

問題提起 COP26とSDGs

科学技術
11 /17 2021
問題提起 COP26とSDGs

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 COP26の最終的な文書をまだ探せていないのですが、ニュースなどによると石炭火力発電の段階的削減(廃止ではなく)という表現が用いられているようです。なんで廃止じゃないのかと言っている人達が目に浮かぶ様な気がしますが、SDGsでは2030年には.世界の誰一人取り残す事なく良質なエネルギーを提供することになっています。インドやアフリカの南サハラと言われる地域はまだ電力が不足しているようです。これらの地域は、逆に大規模火力発電所を建設していたのでは2030年に間に合わないと言われており、太陽光や風力を使う事も視野にインフラ開発が進められていると考えられます。このたびの決定は、これまでの開発方針と整合性は取れているのでしようか。2030年というのが一致してしまっているので。
 まずは、問題提起まで。

温室効果ガス削減のための原子力

気候変動
11 /14 2021
温室効果ガス削減のための原子力

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  COP26は現在(日本時間11月13日の夜は交渉中、14日の朝に採択されたというニュース)、成果報告書案が議長国のイギリスから提出され、これをとりまとめるために会期を延長しての交渉が続いている。成果報告書の文面はあまり変わっていないという。「排出削減対策の講じられていない石炭火力発電、ならびに非効率な化石燃料への助成金を、段階的に廃止する努力を加速させる」という文章が残った状態での交渉だったようだ。また、資金面の話とか、温度上昇が1.5℃に抑えられない場合の損害をどうするか、という点も交渉の焦点になっていたらしい(注1)
  今の時点では最終案が採択されているようだが、最終的に「排出削減対策の講じられていない石炭火力発電」は残っただろうか。岸田総理大臣は、周波数管理の観点から火力発電所が重要であり、日本はそのための技術や資金を提供すると演説した(注2)。日本は低炭素社会を築くために新しい社会インフラを社会実装するために研究開発を行ってきたし(注3)これからも続けていく(注4)。もともと、日本の火力発電の効率は非常に高い上に(注5)、アンモニアの技術(混焼させる、アンモニアを燃焼させるなど・・・)を組み合わせれば、相当よい火力発電が出来ると期待される。 
 COP26に参加した人の意見も聞いてみたいが、現状の議論は、化石燃料を燃やしたら化石がもったいないじゃないか、という議論ではなくて、化石燃料を燃やしたら二酸化炭素ができてそれが温室効果ガスで火力発電で燃やした二酸化炭素が自然界では吸収しきれないので地球の平均気温が上がり人類の存続を脅かすことになるので二酸化炭素を削減しなければならないので化石燃料を燃やさないようにしよう、と議論している模様だ。まさか、「化石燃料が使えないなら、電気を使えばいいじゃない」という状態にはなっていないだろうか。そうだとすると、日本の火力発電の効率が非常によいし、発生する二酸化炭素を回収しまう、と言っても話は通じないのかも知れない。SDGsの目標7でいうエネルギーは電気エネルギーのことを指していると思われるので、下手をすると達成ができない。
 
  そこで、原子力発電が浮上する。 石炭火力をやめるとなると、かなりのところ原子力とするほかはないと考えられる。
 IAEA(世界原子力機関International Atomic Energy Agency)はCOP26に参加していた。Rafael Mariano Grossi総裁は、COP26 に際して次のようなことを述べている。「地球温暖化について、行動すべきときだが、科学と事実に基づいて考えると原子力は解決策の一部である、原子力発電はこれまで70Gt(ギガトン)の二酸化炭素の排出を避けることができた。原子力発電はこまで4分の1の電気を提供しており、原子力発電がなければクリーンな電源を失っていただろう。」Grossi総裁はCOP26の期間中に会場を訪れ、最終目標climate goalsを達成するために原子力による解決nuclear solutionsについて、世界のリーダーとともにイベントに参加し議論する(注6)
 原子力発電は、ウランなどの放射性の重金属の核分裂により発生するエネルギーを熱として利用することで蒸気を作り出し、それにより発電機を回して発電する方法である。原子力と言っても、蒸気によって発電機を回すのは石炭火力発電などと変わらないので、特に近代的、現代的な感じがしない。火力発電では、エネルギー発生時に地球温暖化ガスが排出されるし、原子力発電ならば向こう何十年かの間は普通に使えるかも知れないが、石炭火力発電所の代わりに作ったりすると、仮に何も事故がないとしても、その後使用済核燃料をどのように扱うかという問題に悩みそうな気がする。それに、不安定な国内事情や不安定な国際情勢などでテロや戦争があるとすると、原発がテロリストや外国の攻撃の対象になるのではないか、など心配事があとを絶たない気がする。
 この点、核融合ならば・・・と期待が持ててしまう。ただ、核融合はこれまで数十年も前から研究がされており、現在のところ2050年頃に実用化される見通しになっている。一節によるとバベルの塔という人もいる。核融合も、原子核の融合時に発生するエネルギーを熱として回収するのかも知れないが、できれば電気として直接取り出すことはできないだろうかと個人的には期待している。
 ITERというのは、2005年に日韓米欧印中(欧:スイス、英国)により建設されることになるInternational Thermal Experimental Reactor(実験炉)の略だったが、現在ではこの実験炉の名称が組織の名前になっている。核融合の実験をするための費用が嵩むため1国の予算では対応できないという背景があるが、いろいろと複雑な背景がある。実験の主な目的は、建設中の実験炉において50MWのエネルギーを投入して500MW以上のエネルギーを得ることを目的とする。実験は2025年から開始される(注7)
 ちなみに、2019年にITERはIAEAとは協力関係を強化していくために提携した(注8)
 ただ、今回のCOP26については、連携していなかったようだ。数週間前まで参加してもITERのCOP26での発言力がいかほどのものか不明であったが、50人の若手科学者の現地で町中でのflashmobをやって注意を引くことができたし、COP26ではプレゼンをすることもできた(注9)。(展示会で基礎研究の組織が展示をすると、こんなイメージになるかも知れませんね。)
 ITERのプレゼンでは、背景に核融合のお約束として、「豊富なエネルギー」「持続性」「CO2ゼロ」「長い半減期の放射性廃棄物ゼロ」「メルトダウンゼロ」が掲げてあった。是非、実現してもらいたいものだが、問題は2050年くらいに実用化されているかどうかというロングタームの話であり、筆者の周囲では実現に疑問視する向きも多い。たとえば、特許で技術を保護するとしても、権利期間は出願から20年であり、大学などで最先端の技術の成果として特許出願をしても技術が実効的に守られているかどうか明らかでなく、大学からライセンスされる企業のメリットがどこにあるか分からない、とよく指摘される。そのような技術は、基礎研究としては価値があるが、工業的な価値としては疑問視されてしまう。ITERのプレゼンでも会場からこの点について質問があったが、回答としては世界の叡智を集めており前倒しは可能だろう、ということだった。
 さて、それでは、ここで今後10年を待たずに社会実装可能として名乗りを上げている大学、会社がいくつかあり、そのうち2つを以下に挙げる。ロッキードがどうなったかが不明だが、これ以外にもいろいろな会社が、低炭素社会(脱炭素社会)を意識して研究開発を行っている。
 MIT PFSC(注10)は、COP26 のITERのプレゼンにも登場した。2025年目標 ITERと同様、投入エネルギーの10倍以上の取り出しをめざす。
 TAEテクノロジー(注11)は2030年目標 ホウ素の原子核の核融合を行い3つのヘリウムの原子核を得る反応が名称の由来。ベンチャー企業 日本の自然科学研究機構核融合研究所と2021年9月に共同研究契約を締結した(注12)
 本日のブログでは、この2つしか挙げられないが、他にもベンチャー的に研究している機関が存在する。また、TAEテクノロジーの場合は、核融合時に発生するガンマ線から光電効果により電気を作り出す発明が出願されており、熱によらず直接発電する方法として期待される。

(注3)戦略的イノベーション創造プログラム『 エネルギーキャリア(終了課題)』(2019.3.31に終了)https://www.jst.go.jp/sip/k04.html (2021.11.13閲覧)
(注4)(a)NEDOのHP『グリーンイノベーション基金事業の基本方針(概要)』 https://www.nedo.go.jp/content/100938338.pdf 概要についての述べられている。目的、概要として「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、NEDOに2兆円の基金を造成し、野心的な目標にコミットする企業等に対して、10年間、研究 開発・実証から社会実装までを継続して支援」とある。(b)NEDOのHP『「グリーンイノベーション基金事業/CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」に係る公募について』2021年10月15日 https://www.nedo.go.jp/koubo/EV2_100241.html?https://www.nedo.go.jp/koubo/EV2_100241.html&gclid=Cj0KCQiA4b2MBhD2ARIsAIrcB-TCEJCz0uowM9zHWZyNoQ1IZEHvrJgmUiPpcNYebb0wYg-XKwHo8FIaApXXEALw_wcB#gaiyou
(注5)あべ野きのこ日記『バイオマスの利活用 バイオマス発電(1)』2016.9.29 https://abenokinoko.blog.fc2.com/blog-entry-197.html この記事の(注5)(c)東京電力は、1980年代半ばからLNGコンバインドサイクル発電を導入し、平均熱効率が向上している。2007年に川崎1号系列で世界最高水準である熱効率58.6%の発電が行われており、2016年には川崎2号系列(第2軸)において約61%のものが導入されるという。なお、熱効率が1%向上すると二酸化炭素の排出量は約190万トン削減できるという。 
(注7)ITERのHP『What is ITER』https://www.iter.org/proj/inafewlines (2021.11.13閲覧)
(注9)Sabina Griffith『COP26 ITER AND THE WORLD FUSION COMMUNITY ON STAGE』ITER on line, 2021.11.8 https://www.iter.org/newsline/-/3686(2021.11.13閲覧)  
  flashmob https://www.youtube.com/watch?v=_OUPWePMWyQ ← すぐに音が出ます。

  ITERのプレゼン https://unfccc-cop26.streamworld.de/webcast/iter-organization-fusion-energy-the-state-of-art (いつまでもはリンクしないかも) 
(注10)MIT TSFC https://www.psfc.mit.edu, Plasma Science and Fusion Center, MIT
(注11)TAE Technologies https://tae.com,  Tri Alpha Energy Technologies

あべのきのこ

著者 あべのきのこ
いつ頃にどんな事を考えていたのかを記録するための自分のためのメモであり、宛先は自分です。